まずは新郎新婦の親族よりも格上になってはいけません。
着物についての格式はいろいろとあり
素人には今一つよくわからないことだらけです。
ですが着物の格を表す一つに家紋の数があります。
その家紋についてご紹介したいと思います。
結婚式に着る着物には日向家紋で。その位置はどこにあるの?
前回こちらの記事で家紋の数により格式が変わってくることをお伝えしましたが
着物初心者にはまずその家紋の位置が分からない人が多いのではないでしょうか?
ではまずそこからご説明したいと思います。
背紋
背中心、衿付けの約5.7cm下がった所に一つ。
袖紋
袖の肩山から約7.5cm下がった左右の袖に一つずつ。
前紋(抱き紋)
胸より少し上の左右に一つずつ。
黒留袖はこの五つの紋がそろった最も格式高いものになります。
三つ紋というと背紋、袖紋に三つの紋が入った着物を指します。
一つ紋ですと背紋のみになります。
なので知っている人から見れば紋の数ですぐに格式が分かってしまうんですね。
紋表現方法にも格式があるの?日向紋、中陰紋、陰紋とは?
また着物に入れる代表的な紋には
日向紋(陽紋)、中陰紋、陰紋と表現方法があり
白で色が抜かれている面が多いほど、格が高いです。
なので日向紋>中陰紋>陰紋の順番になります。
日向紋(陽紋)
一番格の高い紋になり、紋の型全体を白地にし、黒や着物の地色で模様をつけたもので、白い部分が多くて明るいことから陽紋とも呼ばれます。
陰紋
紋の型と柄を白でなぞったものなので、着物の地色の方が多くなります。
中陰紋
陰紋と同じように紋の型を白でなぞったものですが、陰紋よりも太い線でなぞり、模様の部分の描写は省かれます。
紋の入れ方の違いにも格式があり?染め抜き紋、縫い紋、貼り付け紋とは?
次に、紋の入れ方にも格の違いがあります。
格式の高い順に、染め抜き紋>縫い紋>貼り付け紋の順番になります。
染め抜き紋(抜き紋)
紋の型を作り、紋の白く残るところを染め抜いて、中に柄を描き足します。
一番格の高い紋の入れ方になります。
縫い紋
刺繍で縫い付ける紋で、線を表現するので、陰紋になります。
いろんな色で刺繍を施し、家紋周りに飾りを入れる加賀紋もこの縫い紋のひとつで、洒落紋(しゃれもん)と呼ばれることもあります。
貼り付け紋
紋を描いた生地を上から貼り合わせます。紋を変える時に、うまく色が抜けない時などに利用します。
着物の地が黒色であれば「家紋シール」というものが販売されていますので
このシールを上から貼ることで簡単に家紋を変えることができます。
着物レンタルショップでは一般的な五三桐の紋になりますので
紋を変えたいとき、お店で行ってくれるところもあります。
また、ネットで「家紋シール」と検索し注文すれば自分で張り替えることもできます。
以上のことから染め抜きの日向紋が一番格が高く、留袖や男性用の紋付きの着物や喪服にはこれを利用するのが正装になります。
訪問着や付け下げ、色無地には日向紋以外の表現方法でも入れることができるので、縫い紋、洒落紋なども利用できます。
まとめ
家紋は家系や血統、家柄や地位を表すものとしての日本固有の文化になります。
着物に入れる紋は、地方によって違いがあり、関西では女性は母方の家紋を入れ
関東では男女の区別なく家族全員がその家の家紋を入れます。
家の家紋を知ることは家の歴史、先祖を知るという意味でもあるので是非知っておきたいですね。
着物の格式については家紋以外に種類でも違いがあるので
結婚式での着物の格式についてはこちらもあわせてお読みください。